2020 年 58 巻 1 号 p. 3-11
胃がんの主原因はピロリ菌感染症であることが明らかになっている。ピロリ菌感染診断には血清ピロリ菌抗体検査や血清ABC分類が簡便であるが,しばしば偽陰性が問題となるため診断精度の高いキットを使用することが必要である。一方,近年全国で普及しつつある胃内視鏡検診は胃がんの診断だけでなく,内視鏡ABC分類や胃炎の京都分類を用いることで背景胃粘膜の状態からピロリ菌の感染状態を診断することもできる。さらに,ピロリ菌検査と内視鏡検査を組み合わせたハイブリッド型検診は,胃がんリスクの層別化と胃がんの拾上げを同時に行うことができる理想的な胃がん対策と考えられる。高崎市では2017年度より血清ABC分類と胃内視鏡検診を同時に行うハイブリッド型検診を対策型胃がん検診として実施しており,高崎市以外にもハイブリッド型検診を行う自治体が増えてきている。