2020 年 58 巻 3 号 p. 247-254
経鼻内視鏡時の前処置方法はスティック法が一般的であるが,未だ定まってはいない。今回,検診経鼻内視鏡検査時の前処置における注入法とスティック法に関して比較検討を行った。検診受診者にて経鼻内視鏡検査を受けた657例(男性436例,女性221例:平均年齢53±10歳)を対象とし,注入群とスティック群の2群に分類し,疼痛,処置者負担の評価はNumerical Rating Scale(NRS)にて行った。
内視鏡検査時の疼痛は注入群で2.4±1.9,スティック群で2.4±1.8で有意差が認められなかった(p=0.56)が,前処置麻酔時の疼痛は注入群で1.4±1.6,スティック群で2.0±1.6と注入群で有意に軽減された(p<0.01)。さらに,前処置時間は注入群で2分9秒±45秒,スティック群で7分53秒±1分44秒と注入群で有意に短く(p<0.01),処置者負担は注入群が1.7±1.2,スティック群が3.3±1.9と注入群で有意に軽減が得られた(p<0.01)。検診経鼻内視鏡検査において注入法による前処置が有用であると考える。