日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
リスク層別化に基づいた統合型“加古川ハイブリッド胃検診”の有効性
鈴木 志保山城 研三寺尾 秀一
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2020 年 58 巻 3 号 p. 255-270

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抄録

兵庫県加古川地区では2015年度に“加古川ハイブリッド胃検診”が導入された。受診者数と胃がん発見率の推移を導入前のX線検診と比較し,胃がん検診としての有効性を検討した。本検診はX線検診・リスク検診・内視鏡検診の3者から選択が可能であり,いずれを受診しても同じ尺度でリスク評価を実施し,統一した管理方針としたのが特徴である。X線検診には,Helicobacter pylori(以下,H. pylori)現感染・既感染と推定される場合にC2(要再検)判定とする読影基準を設定し,2次精査を勧奨した。結果,発見胃がん総数のうちC2判定からの胃がん数は,2015年度36人中25人(69.4%),2016年度27人中15人(55.6%)と過半数を占めていた。従来0.15-0.20%であった胃がん発見率は,ハイブリッド検診を導入した2015年以降には0.31-0.33%と上昇した。どの検診を受診してもH. pylori感染状態に基づき胃がんリスク層別化を行う本検診は,胃がん発見率向上に有用な胃検診システムであることが示された。

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© 2020 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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