日本消化器がん検診学会雑誌
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メタボリック症候群における逆流性食道炎と質的内臓脂肪の関連性
曽我部 正弘岡久 稔也高山 哲治
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2020 年 58 巻 5 号 p. 412-422

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抄録

逆流性食道炎(以下,逆食と略)の食道粘膜傷害の主な原因は胃食道逆流による食道内への過剰な胃酸曝露であり,肥満などの様々な要因が考えられてきたが,Metabolic Syndrome(以下,MSと略)における逆食への質的内臓脂肪の影響については明らかとなっていない。今回我々は,MS該当者における逆食と質的内臓脂肪との関連性について検討した。

対象は健診受診者43,262名の中でMS診断基準を満たし,上部消化管内視鏡・腹部超音波検査を受け,胃酸分泌抑制薬の服用者を除いた875名である。逆食の頻度は17.7%(内臓型MS:23.8%>皮下型MS:12.3%)であった。多変量解析では飲酒,Helicobacter pylori(以下,H. pyloriと略),食道裂孔ヘルニア(以下,Hrと略),内臓型MSが逆食発症の有意な因子であった。

MS該当者の逆食発症にはHr,飲酒,H. pylori陰性に加え内臓型MSが重要であり,同じMS該当者でも内臓型MSと皮下型MSでは臨床的背景や逆食の頻度が異なることから健診においてはMS診断に加え質的内臓脂肪評価も考慮する必要があると考えられた。

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© 2020 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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