日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
上部消化管内視鏡検査のペチジン塩酸塩投与における有害事象の検討
馬嶋 健一郎島本 武嗣村木 洋介
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2025 年 63 巻 6 号 p. 1045-1055

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抄録

【背景】安楽に上部消化管内視鏡を行うことは重要であり, 任意型検診においては鎮静剤や鎮痛剤を投与する場合がある。この薬剤選択肢のひとつにペチジン塩酸塩単剤投与があり, その有用性が示されているが, 有害事象として気分不良を起こすことがある。このペチジン塩酸塩の副作用についての研究は欠落しており, 本研究はペチジン塩酸塩投与下での気分不良発生要因を分析する。

【対象と方法】上部消化管内視鏡検診においてペチジン塩酸塩単独投与の者を対象とした。気分不良関連副作用の定義は, 悪心, 嘔吐, ふらつき・めまい, 血圧低下症状のいずれかもしくは複数の症状が出現したことにより検査後の安静時間(30分)を延長した者とした。

【結果】対象者は3,004名。気分不良関連副作用は142名(4.7%)にみられ, その発症要因はロジスティック回帰分析において, 非飲酒者, 非喫煙者, 検査前血圧が低い, 検査苦痛度が高い, ブチルスコポラミン臭化物投与なし, 体重あたりのペチジン塩酸塩投与量増加であった。体重あたりのペチジン塩酸塩量至適カットオフ値は0.513mg/kgだった。

【結論】ペチジン塩酸塩による気分不良発生要因を考慮したうえ, 投与量を調整することが副作用回避に役立つと考える。

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