2025 年 63 巻 6 号 p. 1056-1066
胃がん検診の場で, 問診と画像診断からHelicobacter pylori(以下H.pylori)現感染で未除菌者が疑われる受診者については, 除菌を強く促すように積極的なH.pylori除菌誘導を行った。X線検査45,973名中, 除菌勧奨紹介状は2,314例発行し, 返書は919例と少なく, うちH.pylori除菌成功例は535例(58.2%)であった。しかしこの中に5例の早期胃がんが発見された。内視鏡検査3,745例では, H.pylori現感染を推察し紹介状による除菌勧奨例は169例で, 返書があったのは127例であった。うち除菌成功は99例(78.0%)でX線検査より返事率, 除菌成功率が有意に高かった(P<0.01)。
費用の面からABC検診と併用ができない胃がん検診の場合, 年齢にかかわらずH.pylori感染性胃炎を重視してこれを的確に診断し, 胃がん発見だけでなく, H.pylori未除菌者に対し除菌を強く促すことは必要であり, 今後の効率の良い胃がん検診をする上でも重要なポイントと考えた。