日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
会長講演
大腸がん検診における現行システムの最大活用と新規技術 ―最新エビデンスと体液スクリーニングの将来―
藤谷 幹浩
著者情報
ジャーナル 認証あり

2026 年 64 巻 2 号 p. 122-129

詳細
抄録

大腸がんは罹患率・死亡率ともに高い悪性腫瘍であり, 対策型検診による早期発見・早期治療は公衆衛生上きわめて重要である。近年, 欧米を中心に, ランダム化比較試験(RCT)やメタアナリシスの集積から, 便潜血検査免疫法(fecal immunochemical test:FIT)を継続的に実施し, 検診から精密検査, 治療までを一体的に管理するプログラム型検診が, 大腸がん死亡率低下に有効であることが明確に示され, 精度管理を重視した組織型検診の整備が進むとともに, 検診開始年齢の引き下げなど, 制度の最適化が図られている。日本では, FITを基盤とした全国一律の大腸がん検診制度が確立され, 一定の成果を上げているが, 自治体間格差, 精密検査受診率のばらつき, 若年発症大腸がんへの対応などの課題も指摘されている。今後は, 体液中DNA・RNA診断や腸内細菌叢・メタボローム解析といった新規技術を既存の検診システムに補完的に組み込み, リスク層別化や検診効率の向上を図ることが重要である。

著者関連情報
© 2026 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top