胃部バリウム検査では,胃の全域を網羅し撮影できても病変を認識できないことが少なくない。それは,主に造影効果不足のために描出されないのであるが,検診の場では,十分な造影効果が得られるケースばかりではないのが現状である。その状況でも,救命可能な癌の拾い上げを完遂することが使命と認識している。そのためには,撮影時の観察力を高めるしかない。観察力を高めれば,例え造影効果不足であっても,撮影時に微細ながらも異常所見として拾い上げることが期待できる。ここでは,拾い上げるべき具体的な所見を提示し,その後の追加撮影で胃癌の発見に至った症例を紹介する。また,それらの提示する所見を見逃し,適切な追加撮影をおこなわなければ,ルーチン画像には描出されず,胃癌を見逃す危険性が高いことを念頭に置いて,観察力向上に取り組んでいただきたい。