抄録
1995年4月から1997年3月までの二年間の当センターにおける胃癌発見成績の評価と2cm以下胃癌の内視鏡所見ならびに組織所見を検討した。2cm以下胃癌の頻度は68% (75/110例) で, このうち内視鏡的切除 (EMR) 例が43% (32例) を占めており, 現行の内視鏡検査法は救命可能な胃癌の発見のみならずより侵襲の少ない内視鏡的切除治療に貢献し得たものと評価できた。内視鏡所見の検討では1cm以下の隆起型癌は, 山田II型の半球状とIII型の球状隆起で辺縁や表面が平滑な病変も少なくないことがわかった。陥凹型胃癌においてはその所見の大きさに差はあっても, 一般の大きさの陥凹型胃癌と同じように癌組織型の違いによる所見の差が認められた。内視鏡直視下観察では粘膜面の洗浄とインジゴカルミンコントラスト法の併用が基本的なこととして大切で, 空気量や遠近ならびに視野角度を変えた観察も小さな胃癌の発見に必要である。