日本消化器集団検診学会雑誌
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二重造影法のみの撮影法による胃がん検診の拡大に向けて
松田 徹長島 義弘板坂 勝良遠藤 一平大泉 晴史柏倉 惇一桜本 基嗣塩野 孝一高橋 恒男多田 久人深尾 彰本間 清和松田 忠三水戸 省吾和田 潤一
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2000 年 38 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

二重造影法のみによる胃X線撮影法は胃体部や前壁病変を含めて胃全域を詳細に描出できる方法として評価できる。山形県医師会消化器検診中央委員会では講演会や研修会などを通じ, 本法の胃がん検診への積極的な採用を推進してきた。県内の本法による胃がん検診の状況を調査した結果, 1995年度に2検診施設で約1万名に対して本法が開始され, その後実施数は漸次増加し, 1998年度には9万8千名に行われ, 県全体の約50%の実施率となった。使用している造影剤は様々で2種類混合が多く, 濃度は全施設で200W/V%を用いており, 造影剤の使用量は100から120ml, 発泡剤は4.5から5-09であった。読影に影響があるような胃と小腸の重なりの割合は30%であった。本県ではさらに本法の実施率を上げ, 胃がん検診の向上に努める予定である。

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