日本消化器集団検診学会雑誌
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過去数年間の秋田県における胃・大腸集検の現況
一般財源化の問題も含めて
井上 義朗金田 進高橋 範子戸堀 文雄正宗 研
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2000 年 38 巻 1 号 p. 23-26

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抄録

過去数年間の秋田県における胃・大腸集検の現況を一般財源化の問題も含めて検討した。
秋田県では従来通りの検診体制を継続した結果, 一般財源化後も検診を中止する市町村はなかった。胃集検では年度毎に受診者数, 40歳以上人口カバー率とも低下した。特に一般財源化後受診者費用負担が大幅に増額した市町村で, 受診者数が減少する傾向がみられた。一方大腸集検では, 受診者数, 40歳以上人口カバー率とも年度毎に増加した。受診者費用負担の増額も胃集検より少なく受診者数の減少には繋がらなかった。なお費用負担の増額のなかった市町村でも胃集検, 大腸集検の受診者の減少がそれぞれに11.5%, 14.2%みられた。このように一般財源化された10年度の受診者減少は受診者費用負担の増額の他, 検診の多様化なども含め十分な検討が必要と思われる。

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