日本消化器集団検診学会雑誌
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住民検診の逐年大腸集検における精検偽陰性例の検討
本田 聡渡辺 文利花井 洋行
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2000 年 38 巻 2 号 p. 126-133

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抄録

1993年から1998年の6年間に藤枝市, 大井川町, 岡部町の1市2町で行った大腸集検結果を集計し, 精検偽陰性例について検討した。精検で発見された大腸がん症例は計173例 (185病変) で, 精検偽陰性例は9例, 精検偽陰性率4.9%であった。精検偽陰性例9例のうち, 7例は早期がんで, うち5例で内視鏡的切除が可能であった。精検方法別にみると, 注腸X線検査とS状結腸内視鏡検査の併用法では, 発見大腸がん症例92例, 精検偽陰性例3例, 精検偽陰性率3.2%であった。全大腸内視鏡検査法では, 発見大腸がん症例67例, 精検偽陰性例4例, 精検偽陰性率5.6%であった。今回の検討で拾い上げた精検偽陰性例 (早期がん7例, 進行がん2例) については, いずれも内視鏡または開腹手術による治癒切除が可能であった。精検偽陰性がんの部位別評価では, 横行結腸と直腸の頻度がやや高かった。

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