ディジタル処理による胃X線検査は, 現在CR (Computed Radiography) とDR (Digital Radiography) に大別される。ディジタル化による利点は多岐にわたるが, この二つのシステムの機構的な相違は大きい。横浜鶴ヶ峰病院は, 平成5年CRシステムを導入, 画像データを全てディジタル化し, CRT (モニター) 診断を実施してきた。使用経験からCRは, IP (lmaging plate) のハンドリングによるエラー, 処理時間などの問題があり, 多数の検査をこなす場合, 不都合な面が生じる事がある。
そこで, 岡崎市医師会公衆衛生センターに, 平成10年DRシステムを構築した。今回, この機構の違う二つのディジタルシステムを, 物理的特性, 処理時間, 信頼性など比較検討する事で, 胃集団検診における最適なシステム構成を論考した。
結果は, 直接的なディジタル化と, 迅速なネットワーク出力が可能なDRがより有効な方式であり, 画像転送などシステム的にも充実していた。胃集団検診における最適なシステムは, 現状では, DRを中心とする構成であり, 今回構築された岡崎市のDRシステムは, 高く評価できるという結論に達した。
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