日本消化器集団検診学会雑誌
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胃集検登録制度における発見食道癌症例の検討
伊藤 高広松尾 祥弘大石 元平井 都始子山田 麗子玉本 哲郎浅川 勇雄磨田 義雄岩井 智郎今井 照彦吉本 正伸高橋 仁志打田 日出夫
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2000 年 38 巻 3 号 p. 266-270

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抄録
当科では間接X線胃集検における要精検例を対象に呼出しによる逐年精密検査を行う胃集検登録制度を採用し, 同時に食道精検を施行することで1998年までに表在癌10例を含む食道癌12症例を発見し得た。発見時平均年齢は70.3歳 (57-86歳), 登録時からの平均観察期間は8年 (1年5カ月一15年7カ月) で, 登録患者4560名中の食道癌発見率は0.26%であった。発見時検査方法は表在癌10例では全て内視鏡検査で, うち6例が色素 (ヨード染色) 併用例であった。進行癌2例, 表在癌5例に手術, 他の表在癌3例にEMR, 1例に放射線治療, 1例にEMRと放射線治療を併用した。表在癌8例が1999年8月現在生存中 (うち3例が5年以上生存) であり, この中にEMR施行例は全例含まれている。胃集検登録制度における色素内視鏡を併用した食道同時精検がEMR可能食道癌の発見に寄与し得ることが示唆された。
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