抄録
大腸癌の経過観察あるいは遡及的検討のできた症例は少なく, その検討は大腸癌の発育を知る上で重要である。本論文では経過が追えた3症例について文献的考察を加え報告した。症例1は78歳の女性でRsに最大径3.5cmの全周性2型の腫瘤を認めた。1年3ヶ月後に4cmの腫瘤になり, 狭窄は強くなっていた。ダブリングタイムは25.9ヶ月であった。症例2は63歳の男性で, 大腸集検で要精査となり, X線検査を施行した。直腸Rbに最大径3cmのIIa様の隆起性腫瘤を認めたが, 便塊として読影された。2年11ヶ月後に下血のため再度X線検査を施行し, 同部に6cmの2型の腫瘤を認めた。ダブリングタイムは11.6ヶ月であった。症例3は69歳の男性で, S状結腸癌術後で定期的にX線検査を施行していた。2年10ヶ月前に異常のなかった上行結腸に最大径3cmの半周性の2型の腫瘤を認めた。