抄録
近年, 救命可能な早期胃癌が数多く発見され, 発見胃癌に占める進行胃癌の割合は減少してきている。一方, スキルス型胃癌 (以下, スキルス) の頻度は我々の検討では, ほぼ横ばいであった。この要因として, 通常の胃癌とは異なるスキルス特有の病態により, 胃集検での早期診断が難しいためと考えられた。逐年受診者における前年度X線フィルムの検討では, 限局性硬化, ひだの肥大, 硬化の所見が多くみられ, 前年度のX線フィルムとの対比により指摘できる症例が多く見られた。原発巣の占居部位は, 逐年受診者においてU領域に, 初回受診者ではM領域に多く見られた。予後は不良であったが, 近年の治療法の進歩や造影剤, 診断機器, 診断能の進歩により5年生存率が一部で向上していた。スキルスの診断の向上のためには, 高濃度バリウムの使用や, 必要に応じた撮影体位の工夫や追加撮影が大切であり, 疑わしい所見に対しては前年度との比較が重要であると考えられた。