日本消化器集団検診学会雑誌
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胃X線I. I.間接二重造影像における輝度勾配法,クラスター分析法を用いた微小胃癌病変検出のための画像処理法の検討
武藤 裕衣
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2002 年 40 巻 2 号 p. 142-149

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抄録
われわれは, 胃X線二重造影像上の輝度勾配に着目し, 病変部の輝度勾配を肉眼病理所見と比較し, 小・微小早期胃癌病変を検出する新しい画像解析法を考案した。
病変を含む胃X線二重造影像をディジタル化し, フィルム上に描出している病変部の輝度勾配を肉眼病理所見と比較, 微小胃癌病変所見の輝度勾配の特徴を解析した。結果を元に病変抽出法の開発を試みた。病変部輝度分布の特徴として (1) 対象画像の輝度分布は, 肉眼的に切除標本の凹凸の位置・形状を良好に描出。(2) 輝度勾配が大きく変化する部分は, 切除標本と比較し陥凹部境界の位置と一致。(3) 肉眼分類で小・微小胃癌の殆どがあてはまる陥凹性病変は, フィルム上, 輝度勾配の大きい領域に囲まれたバリウム斑であった。上記特徴をもとに輝度勾配の大きい部分を抽出し病変を検出する。偽陽性候補削除にはクラスター分析を用いた。上記処理で, 検討対象全て微小胃癌病変を検出した。
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© 日本消化器がん検診学会
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