抄録
今回, 我々は大腸m癌143例, sm癌119例を対象に, スクリーニング法としての注腸X線検査による早期大腸癌の示現能について検討した。ルーチン注腸X線検査による示現率は, m癌は923%, sm癌は 95.8%であった。部位別にみた示現率ではm癌, sm癌とも右側結腸で描出が悪かった。肉眼型と部位別の検討ではm癌, sm癌とも隆起型に比べ表面型の示現率が低かった。示現不能例はm癌が11例, sm癌が5例であった。示現不能の原因として, m癌ではバリウムの残存やバリウムのひび割れ等検者の技術不足によるものが多く, 前処置不良も3例認めた。sm癌では全例が右側結腸にあったこと, 5例中 4例は表面型でかつ5mm以下の微小病変であったことなどが要因と考えられた。
我々の検討では右側結腸の癌および表面型大腸癌の示現能に問題が明らかになり, その点を念頭に置きながら細心の注意をはらって検査に望めば, スクリーニングとしての役割は充分に果たしうると考えられた。