2002 年 40 巻 6 号 p. 542-546
非肥満者の脂肪肝例 (F群98例) と生活習慣病の関連について非脂肪肝例 (N群213例) と比較検討した。男性ではF群はほぼ正常値内ながらも総コレステロール, LDL-コレステロール, 中性脂肪, 空腹時血糖, 尿酸値が有意に高値であり, HDL-コレステロールは有意に低値を示し, 女性ではF群は HDL-コレステロールのみN群より有意に低値であった。男性において高脂血症, 耐糖能異常の割合もそれぞれF群70.0%, N群349% (p<0.0001), F群32.2%, N群17.8% (p=0.01) とF群は高率であった。脂肪肝発症を目的変数とし背景因子を説明変数としたロジスティック回帰分析ではBMIのみが有意で (p<0.0001), 相対危険度は1.76であった。以上より非肥満者における脂肪肝例は, 普通体重でもより適正な体重調節が必要と考えらた。