日本消化器集団検診学会雑誌
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胃X線検診の適正な要精検率の検討
齋藤 洋子福富 久之中原 朗真田 勝弘
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2003 年 41 巻 4 号 p. 387-398

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抄録
1992-2001年度のデータを用いて間接X線法を用いた胃がん検診の適正な要精検率の検討を行った。要精検率の継時的変遷の分析から受診歴別割合, 高齢者割合の増加, ダブル異時読影割合の増加の影響よりも, 症例検討会実施に伴う画質の向上, 読影医へのフィードバックを伴う読影, 特に悪性度を加味した読影判定基準の変更が要精検率の低下に影響していた。確定癌の再読影および判定3の精検結果内訳から要精検率, 精検受診率, 癌発見率, 陽性反応適中度, 進行癌発見率を算出し年度別の成績を比較した。判定3の異常なし以外の割合からは要精検率9.56%と有意に低下し, 他の指標は差を認めなかった。判定3の正診のみからの要精検率6.73%では陽性反応適中度は有意に上昇し, 進行癌の発見率, 早期癌比率には差を認めなかった。以上のことから要精検率は進行癌の発見率から6.73%へ, また早期癌を含めた発見率から9.56%までに抑制でき, 10%を越える要精検率は適正ではないことが示された。
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