日本消化器集団検診学会雑誌
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間接X線胃集検における適正な要精検率の検討
三重 浩子草野 健塗木 冬実竹元 千代美林 芳郎渋江 正瀬戸山 史郎新牧 一良伊東 裕治有馬 貞三
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2003 年 41 巻 4 号 p. 399-407

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抄録
間接X線胃集検の効率化のために, 要精検率の低減がどこまで可能か, また適正な要精検率はどのように設定できるかを, 偽陽性例の現状分析から検討した。偽陽性例の検討は精検結果に信頼の措ける高精度精検地区の精検結果を中心に行った。
過去10年間の鹿児島県胃集検実績における偽陽性率には殆ど変化のないことから, 2000年度の成績を対象とし, 「異常なし」と「局所病変のない慢性胃炎」を偽陽性とした。
その結果, 「がん」のみをチェックすると要精検率は0.12%となり, 「要処置病変」全てでは0.92%となるが, 偽陽性例を全て除外すれば5.49%で, 要精検率の理想値0.12%と5.49%の間にあるといえた。同時期の施設内視鏡検診の生検実施率は, 10.9%であり, 間接X線の要精検率5.49%は許容できる値と考えられた。今後さらに読影能と示現能の向上により要精検率低減は可能と予想された。
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