日本消化器集団検診学会雑誌
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スクリーニングTCSの効率的な実施法
鈴木 康元渡辺 豊
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2003 年 41 巻 4 号 p. 408-414

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抄録

1992年から1998年までに当センターで初めて大腸癌スクリーニングのためのTCS (以下, S-TCS (スクリーニングTCS) と略す) を受けたのは31, 070例で, この中から発見された浸潤癌1, 017例を対象として浸潤癌をターゲットとしたS-TCSの効率的な実施法について検討した。その結果,(1) 大腸癌の存在を疑わせるような主訴を有する男性については40歳以上, 女性については30歳以上の症例に対し最初のS-TCSを行うのが効率的,(2) S-TCSは1回行うだけでもかなり満足のいくスクリーニング効果が得られる,(3) 初回のS-TCSでm癌または腺腫が発見された場合, 男性は3年後に2回目のS-TCSを行うのが効率的で, 女性の場合は2回目のS-TCSの効率的な実施時期を特定することは不能,(4) 初回のSTCS でm癌または腺腫が発見されなかった場合は, 男女とも2回目のS-TCSは5年後でも充分,(5) 3回目のS-TCSは男女とも当分の間必要ない, と考えられた。

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