抄録
大腸がん検診の対象年齢は本邦では40歳以上であるが, 諸外国では50歳以上または50-69歳と規定されている。70歳以上の受診者数は少数であるが, 40-49歳および70歳以上が検診対象として適切かどうか大腸癌罹患率および生存率の観点から検討した。まず福井県がん登録では1998年の年齢区分別 (40-49歳, 50-69歳, 70歳以上) 大腸癌罹患率は40.3,140.7, 3196と40-49歳で低かった。Kaplan-Meier法による年齢区分別5年生存率はそれぞれ91.1%, 894%, 77.1%であり, 70歳以上の生存率は50-69歳より有意に不良であった (P=0.048) 。しかし70歳以上を細分すると, 75歳以上の5年生存率は68.8%と不良であったが70-74歳では85.1%であり50-69歳に比して遜色なかった。一方Coxの比例ハザードモデルによる死亡リスク比には年齢区分間に差を認めなかった。以上より40-49歳についてはさらに検討が必要であろうが, 70-74歳に対しては今まで以上に大腸がん検診受診を勧奨すべきと考える。