日本消化器集団検診学会雑誌
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胃癌手術例からみたペプシノゲン法の評価
生方 英幸本橋 行春日 照彦竹村 晃佐藤 茂範田渕 崇文
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2004 年 42 巻 1 号 p. 40-48

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抄録

胃癌検診におけるペプシノゲン法の意義と問題点について検討した。対象は当科で手術を施行された胃癌患者217例で, 手術前に採血しペプシノゲン値を測定した。全症例のペプシノゲン法判定結果は, (+): 58.9%, (+-): 15.7%, (-): 25.4%であった。年齢, Stage, 深達度, リンパ節転移の有無, 根治度, 組織型, 腫瘍局在部位, 腫瘍の大きさの検討では有意差はなかった。症状なしの症例の758%が検診発見例であった。症状なしの進行癌ではペプシノゲン陰性例は1例 (0.46%) のみであった。対象症例のうち, 胃X線法による検診見落とし例は3例あったが, 全例ペプシノゲン陽性であった。以上の結果からペプシノゲン法は胃癌のハイリスクグループの指標となり得, 検診見落とし例の拾い上げに有用であると思われた。またペプシノゲン法は客観的検査法であり低侵襲なため検診受診率の向上に寄与するものと考えられる。

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