日本消化器集団検診学会雑誌
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42 巻, 1 号
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  • 岡村 正造, 山本 義樹, 山口 初宏, 浅井 俊夫, 横山 純夫, 藤田 保, 堀田 泰裕, 木下 治, 三竹 正弘, 西田 元彦, 下平 ...
    2004 年 42 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    豊橋市の平成10-14年度の胃がん個別検診の成績を検討した。造影剤は高濃度低粘性バリウム, 撮影法は原則9枚に統一した。個別検診受診者数は平成12年の3528人から8500人に増加し, 間接集検受診者との総数は平成10年の5464人から12428人に達した。年齢は60歳代が最多で, 女性が68.2%を占めた。要精検率は初年度以降は5.3-7.8%で, 精検受診率は947%ときわめて高かった。発見胃癌数は49人 (発見率0.2%) で, 23病変が早期癌であった。胃悪性リンパ腫と食道癌も各2例発見した。癌深達度はm30%, sm8%, mp10%, ss以深52%で, 後壁病変が17.5%と少なく, 小弯病変が40%であった。部位別早期癌率はC領域が714%, 後壁病変が857%と高かった。
    個別検診受診者数の増加により集検総受診者数が増加し, 精検受診率が947%ときわめて高かった点が注目された。
  • 新撮影基準採用前後の比較
    後藤 裕夫, 加藤 淳一郎, 星 博昭
    2004 年 42 巻 1 号 p. 12-24
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    近年, 上部消化管の撮影には高濃度造影剤が使用され, 描出能の向上が報告されている。今回直接撮影の近接操作と遠隔操作で, 高濃度造影剤の使用前後の描出能の変化を検討した。また, 遠隔操作では高濃度造影剤の描出能を間接撮影の新撮影基準に準拠した方法と以前の方法との問で比較した。また, 新撮影基準に則った方法で180W/V%と200W/V%の2種類の濃度間での描出能の差異を検討した。
    近接, 遠隔とも高濃度造影剤の使用により描出能が向上したが, 障害陰影の増加はみられなかった。遠隔操作での新撮影基準採用後は体部と上部で描出能の向上がみられた。しかし, 流出度はやや増加し, 空気量が減少した。新撮影基準での180・200W/V%の比較では, 200W/V%で体部, 上部の描出能がやや優っていた。
  • 心拍変動解析による検討
    林 亨, 野村 昌弘, 鳥巣 隆資, 仁木 美也子, 安田 貢, 鹿児島 彰, 井上 博之, 高橋 義典, 山ノ井 昭, 坂下 修, 竹内 ...
    2004 年 42 巻 1 号 p. 25-32
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    胃X線検査時における体位変換時の自律神経活動の変動を評価するために, 健常成人12人に対し立位時 (90°head-uptilt, 以下HUT) および頭低位時 (-35°head-down tilt, 以下HDT) の心電図R-R間隔を検討した。ホルター心電図を, 安静時25分, 立位または頭低位時5分および再安静時25分間記録し, 心拍変動スペクトル解析を行った。立位および頭低位時のLFpower値およびLF/HF値は, 安静時および再安静時に比べ有意に増加した (p<0.05) 。また立位および頭低位時のHFpower値は, 安静時および再安静時に比べ有意に低下した (p<0.05) 。
    HUTおよびHDTによる体位変換は, 交感神経活動の亢進および副交感神経活動の低下を引き起こしていると考えられる。交感神経活動の亢進および副交感神経活動の低下の催不整脈作用などが指摘されており, 高齢者や合併症を伴う被験者には, 体位変換時の傾斜角度や時間の軽減などの考慮が必要と考えられた。
  • 細川 治, 服部 昌和, 武田 孝之, 渡辺 国重, 藤田 学
    2004 年 42 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    X線検査に代わり, 内視鏡検査が胃がん拾い上げ方法の主流となったが, 見落としの問題は未解決である。胃内視鏡検査の精度を検討する目的で, 1984年から1995年の88,535件の胃内視鏡検査をわが国で最も精度の高い地域がん登録と照合した。343件の内視鏡検査では胃がんが発見されなかったが, その被検者が3年以内に胃がんとがん登録され, 偽陰性であったことが判明した。同期間に1,201件の真陽性検査が実施され, 偽陰性率は3年の単位で22.2%と算定された。偽陰性率は後半に増加し, 男性被検者, 10年未満の経験の検査医で有意に高かった。また, 偽陰性中の進行胃がん比率は噴門穹窿部と胃体上部で高かった。内視鏡検査の偽陰性率は予想以上に高く, 胃全体を隈なく観察し, 小さく平坦な病巣も見落とさず, 的確な生検を行えるように, 内視鏡検査医に十分な研修を行う必要がある。
  • 生方 英幸, 本橋 行, 春日 照彦, 竹村 晃, 佐藤 茂範, 田渕 崇文
    2004 年 42 巻 1 号 p. 40-48
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    胃癌検診におけるペプシノゲン法の意義と問題点について検討した。対象は当科で手術を施行された胃癌患者217例で, 手術前に採血しペプシノゲン値を測定した。全症例のペプシノゲン法判定結果は, (+): 58.9%, (+-): 15.7%, (-): 25.4%であった。年齢, Stage, 深達度, リンパ節転移の有無, 根治度, 組織型, 腫瘍局在部位, 腫瘍の大きさの検討では有意差はなかった。症状なしの症例の758%が検診発見例であった。症状なしの進行癌ではペプシノゲン陰性例は1例 (0.46%) のみであった。対象症例のうち, 胃X線法による検診見落とし例は3例あったが, 全例ペプシノゲン陽性であった。以上の結果からペプシノゲン法は胃癌のハイリスクグループの指標となり得, 検診見落とし例の拾い上げに有用であると思われた。またペプシノゲン法は客観的検査法であり低侵襲なため検診受診率の向上に寄与するものと考えられる。
  • 松田 一夫, 渡辺 国重
    2004 年 42 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    大腸がん検診の対象年齢は本邦では40歳以上であるが, 諸外国では50歳以上または50-69歳と規定されている。70歳以上の受診者数は少数であるが, 40-49歳および70歳以上が検診対象として適切かどうか大腸癌罹患率および生存率の観点から検討した。まず福井県がん登録では1998年の年齢区分別 (40-49歳, 50-69歳, 70歳以上) 大腸癌罹患率は40.3,140.7, 3196と40-49歳で低かった。Kaplan-Meier法による年齢区分別5年生存率はそれぞれ91.1%, 894%, 77.1%であり, 70歳以上の生存率は50-69歳より有意に不良であった (P=0.048) 。しかし70歳以上を細分すると, 75歳以上の5年生存率は68.8%と不良であったが70-74歳では85.1%であり50-69歳に比して遜色なかった。一方Coxの比例ハザードモデルによる死亡リスク比には年齢区分間に差を認めなかった。以上より40-49歳についてはさらに検討が必要であろうが, 70-74歳に対しては今まで以上に大腸がん検診受診を勧奨すべきと考える。
  • 膵嚢胞性疾患における発見状況と事後管理の現状
    伊瀬知 毅, 竹元 千代美, 嘉川 潤一, 松元 淳, 草野 健, 渋江 正, 瀬戸山 史郎
    2004 年 42 巻 1 号 p. 56-63
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    上腹部5臓器を対象とした腹部超音波検診 (以下US検診) は, 本県でも1984年から開始され, 一定の効果を挙げてきているが, 他の臓器に比較すると膵については向上してきたとはいえ未だ有効性が低い。今回は, 膵癌の中でも比較的予後の良い嚢胞性膵癌を中心に現状を分析し今後の対策を検討した。その結果,(1) 嚢胞性膵癌9例中5例は嚢胞以外の所見で発見されていた。(2) 検診時の嚢胞性所見よりも発見嚢胞癌のサイズは大きかった。(3) 精検機関により精検方法が異なり, 一般医療機関はUSのみあるいはCTのみが多く, 専門医療機関ではUS+CTあるいはERCPやEUS等の特殊検査まで行われていた。(4) 嚢胞性疾患を標的とした陽性的中率は一般医療機関では48.6%と低く, 専門医療機関の71.7%と大きな差があった。
    これらのことより, 今後は検診の膵描出能の向上を追及するとともに精検システムの管理による精検精度向上も重要と考えられた。
  • 古賀 充, 宮川 国久, 池田 敏, 小川 眞広, 北川 晋二, 瀬川 昂生, 平田 健一郎, 細井 董三, 松田 徹, 吉川 邦生
    2004 年 42 巻 1 号 p. 64-83
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 2004 年 42 巻 1 号 p. 84-91
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 2004 年 42 巻 1 号 p. 92-102
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
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