日本消化器集団検診学会雑誌
Online ISSN : 2186-7321
Print ISSN : 1345-4110
ISSN-L : 1345-4110
ITを利用した人間ドック検診
稲本 一夫
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 42 巻 4 号 p. 447-453

詳細
抄録

人間ドック検診にIT (情報・画像技術) を利用したシステムを構築した。病院電子カルテ・フィルムレスと連動し, 受診者に診療情報の迅速な提供を行い, コンピューター画面に提示された検査データの内科医による説明, 画像の放射線科医による解説が可能となった。検査終了後, 画像も含めた全ての診療情報はCD-ROMに収められ, 紙の報告書とともに受診者に送られる。本人の健康管理ばかりか, 他医受診の際にも参考資料となり好評である。これらのIT基盤をもとに, マルチスライス腹部CT像より, 胃の3D仮想内視鏡画像を作成して診断に供した。胃の直接内視鏡を同日に施行した63例, 66病変の対比成績では, 感度92.7%, 特異度90.9%の満足すべき結果が得られた。スクリーニング検査として, ピロリ菌尿素呼気試験 (UBT), 血清ペプシノーゲン測定をともに実施し, その結果をもとに, さらに検査の必要な人には直接内視鏡 (生検) を勧めている。

著者関連情報
© 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top