2004 年 42 巻 6 号 p. 569-574
大腸がん検診精検受診率と1次スクリーニング受診率, 1次スクリーニング対象者数, 要精検率, 以前の精検受診経験等の関係を職域検診のデータをもとに評価した。対象は2000~2002年度の大腸がん検診で要精検となった男女 (男性: 2421名, 女性: 210) で, 男性の75%, 女性の68.6%が精検を受診していた。精検受診と上記因子の関連をみるために変数を標準化したlogistic回帰分析を行った。高い要精検率は精検受診に対し抑制的に作用し, また最も大きな影響を有することが判明した。頻回な精検受診歴を有するものも精検を受診しなかった。一方, 高い1次スクリーニングの受診率は精検受診にプラスに作用した。
高い要精検率は集団検診そのものの信頼性を損なう可能性があり, この問題の解決には, 頻回に精検を受診するものの所見のなかったケースの対処方法の確立や便潜血キットの再評価が求められる。