日本消化器集団検診学会雑誌
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ヘモグロビン添加疑似便におけるLA法とRPHA法でのヘモグロビン検出感度についての基礎的検討
高橋 克也浜崎 寛長谷川 精一飛田 忠之名畑 孝木下 勝資
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2004 年 42 巻 6 号 p. 575-579

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抄録

各種の免疫便潜血検査試薬の中で, 我が国の大腸がん検診で最もよく使用されているLA法のOC-ヘモディア (自動分析器での定量法) について, 最近新たに自動分析器とその専用の検体採取容器が開発された。この新しい測定システムについて, 疑似便でのヘモグロビン検出感度を測定した。その結果, メーカー推奨のカットオフ値 (100ng/ml) で判定した場合, ヘモグロビン検出感度限界域は25~30μgHb/g疑似便であった。また, カットオフ値をメーカー推奨値より低値に変化させて同様にヘモグロビン検出感度を調べると, 30ng/mlのカットオフ値までは実用性がある結果と判断され, その時のヘモグロビン検出感度限界域は7.5~10μgHb/g疑似便であった。
一方, LA法同様に大腸がん検診でよく使用されているRPHA法のイムディア-HemSP (目視判定での定性法) についても疑似便でのヘモグロビン検出感度を測定した。その結果, 取扱説明書通りのカットオフ値で判定した場合, ヘモグロビン検出感度限界域は15~30μgHb/g疑似便であった。
この新しい測定システムによるLA法では, カットオフ値を低値に変化させることでRPHA法より高いヘモグロビン検出感度となった。

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