日本消化器集団検診学会雑誌
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胃癌の効率的検診方法
齋藤 洋子福富 久之松本 尚志中原 朗平井 信二堀田 総一佐久間 正祥真田 勝弘
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2005 年 43 巻 2 号 p. 186-196

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抄録
2000-02年度に間接X線撮影 (以下X線) 法, ペプシノゲン (以下PG) 法の同時併用による胃がん検診を4,359人に実施し, 同法の効率性について検討した。PG法の要精検者は三木の基準2+とした。併用法全体の要精検率は24.9%, 内訳はPG法のみ55.9%, X線法のみ31.3%, X線+PG法12.8%であった。発見癌はPG法単独陽性から早期癌3人 (3+: 2人, 2+: 1人), X線法単独要精検から進行癌2人, 早期癌1人, 両法陽性から早期癌1人の計7人 (発見率0.16%) であり, X線法単独とPG法単独陽性からの発見癌はそれぞれ互いに偽陰性であった。PG法3+を要精検とした場合は要精検率が17.1%に有意に低下し, 癌発見率は0.14%と変化なかった。現時点では, 進行癌を見落とさないためにX線法を中心に実施しPG法を5年毎に同時または異時併用するか, 隔年交互に実施するのが互いの偽陰性を補う意味で効率的である。さらに要精検をX線法正診例のみ, PG法3+のみとすることが効率的である。
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