日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
胃がん検診の事業精度評価
II.市町村が委託する検診機関の精度格差
齋藤 貴生徳永 章二北川 晋二
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 44 巻 4 号 p. 355-364

詳細
抄録
福岡県内市町村が胃がん集検を委託している検診実施機関の事業評価を行ない, その精度格差を検討した。2004年度に, 県内96全市町村が胃集検を委託した検診機関数は16, うち福岡地区胃読影研究会資料によって精度評価が可能であった機関数は7であり, この7機関に74市町村が委託していた。検診機関の事業精度を3レベルに区分し, 陽性反応的中度, 精検受診率の両方が平均値以上を精度A, いずれか一方が平均値以上をB, 両方が平均値未満をCとした。平均値は, 上記資料における地域検診実施10機関の平均を用いた。96市町村のうち, 38市町村 (39.6%) が精度Aの2機関に, 36市町村 (37.5%) が精度BまたはCの5機関に委託していた。また, 検診事業精度の高い機関から, 精度が低く検診単価の安い機関への委託変更が, 最近10年間に増加していた。検診機関の事業精度向上への措置が必要と考えられる。
著者関連情報
© 社団法人 日本消化器がん検診学会
次の記事
feedback
Top