2025 年 2 巻 1 号 p. 30-33
認定遺伝カウンセラーは、日本人類遺伝学会および日本遺伝カウンセリング学会が共同認定する資格である。医療、理工学、教育・心理学などと多様な経歴を持ち、遺伝カウンセリングの専門家として医療機関や教育・研究機関、企業で活躍している。医療機関では、診療における患者対応はもちろん、体制構築や遺伝学的検査の管理・結果解釈などを担う者も多く、昨今の遺伝医療の発展に貢献している。
当院の遺伝子診療センターは、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが中心となり、幅広い領域の遺伝カウンセリングを提供し、関連部署と協力して、遺伝子診療支援や教育・研修に対応している。センター設立以降に遺伝カウンセリングや遺伝学的検査の運用体制の整備を行ってきた。
遺伝学的検査の運用については、臨床検査部と協働し、臨床検査技師と認定遺伝カウンセラーが連携し、医療安全を担保しながら、臨床への還元のためにきめ細やかな対応を心がけている。遺伝学的検査結果の解釈についても、認定遺伝カウンセラーが支援を行うことで、医師と協働して遺伝医療を支えている。
筆者は、今後も専門性の向上とチーム医療の推進により、院内の課題解決に取り組み、患者や家族のニーズに沿った遺伝医療を提供することを目指したい。