2022 年 40 巻 3 号 p. 120-124
がんゲノム医療は「がん患者の腫瘍部および正常部のゲノム情報を用いて治療の最適化・予後予測・発症予防をおこなう医療(未発症者も対象とすることがある.またゲノム以外のマルチオミックス情報も含める)」と定義される(がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会報告書~国民参加型がんゲノム医療の構築に向けて~厚生労働省HP平成29年6月27日)1).
「治療の最適化」についてはがん医療へコンパニオン診断の導入から,2019年6月のがん遺伝子パネル検査の保険収載を契機に,個別化治療に到達する道筋が整備されてきている.一方でがんゲノム医療は定義にあるように「がん未発症者」を含む「がん発症予防」を含む概念である.がん発症高リスクのがん未発症者に対する介入が可能になってはじめて,国民の確実ながん死低減が可能になるといえる.
婦人科診療を窓口に個々のゲノム情報に応じて未発症者も既発症者の区別なく対応していき,「治療の最適化・予後予測・発症予防」によって最終的に国民のがん死低減に寄与することが可能になる.