日本婦人科腫瘍学会雑誌
Online ISSN : 2436-8156
Print ISSN : 1347-8559
シンポジウム1
当院の婦人科がんに対するがん遺伝子パネル検査の現状
角 暢浩奈良 亮謙川村 温子古澤 啓子望月 亜矢子高橋 伸卓武隈 宗孝平嶋 泰之
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 42 巻 2 号 p. 67-74

詳細
抄録

概要:背景:がん治療における個別化医療の実践にあたり「がん遺伝子パネル検査」が導入された.がん種横断的な報告はあるが婦人科がんのみを対象とした報告は少ない.婦人科がんに対するがん遺伝子パネル検査に関して調査した.

方法:2019年6月から2022年12月まで当院エキスパートパネル(以下EP)で検討した1,104例から当院婦人科がん症例を抽出し,がん種,検査方法,がん関連遺伝子変異の検出率,国内承認薬・治験数,EP後の治療について後方視的に検討した.

結果:当院症例は622例,婦人科がんは63例(子宮頸癌16例,子宮体癌13例,卵巣癌22例,その他12例)と3番目に多かった.検査方法は全例Foundation OneⓇ CDxがんゲノムプロファイルであった.がん関連遺伝子は96.8%(61例)に同定され,国内承認薬は13例(当該がん種適応6例,他がん種適応8例(重複1例)(20.6%),国内臨床試験は32例(50.8%)に提示された.EPの提示治療は6例(9.5%)(国内承認薬4例,治験2例)に実施された.

結論:婦人科がん対象のがん遺伝子パネル検査は約半数に臨床試験が提示されたが治療の到達は少なかった.

著者関連情報
© 2024 日本婦人科腫瘍学会
前の記事 次の記事
feedback
Top