2025 年 43 巻 2 号 p. 65-71
概要:がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発子宮体癌に対しLenvatinib/Pembrolizumab併用療法(LP療法)が適応となり,様々な治療関連有害事象(TEAE)が懸念される.当院で再発子宮体癌に対してLP療法を開始後,重篤な免疫関連TEAEを呈するもLP療法を再投与し腫瘍制御できた1例を報告する.
症例:70歳,3妊3産.類内膜癌,G1,stage IA, 術後11カ月で腟断端と後腹膜に再発し,TC療法施行も腫瘍が増大したためLP療法を開始した.開始後21日目に全身の紫斑と血小板2,000/µLと低下を認め,LP療法を中止し,プレドニゾロン(PSL)投与,血小板輸血,免疫グロブリン大量静注療法で寛解したが,PSL漸減中に腫瘍増大を認めた.患者と十分に協議し,PSL 10 mg/dayまで漸減しLP療法を再開した.その後重篤なTEAEの出現なく部分奏功を維持し,治療継続中である.
重篤なTEAEが出現しても,適切な管理下でのLP療法の再投与は,有効性が毒性を上回る可能性がある.LP療法の再投与の有効性と安全性に関する検討は少なく,更なる症例の検討を要する.