2026 年 44 巻 1 号 p. 1-6
概要:免疫チェックポイント阻害薬は子宮悪性腫瘍の治療成績を大きく改善したが,免疫関連有害事象として多臓器に多彩な症状を呈する可能性があり,時に重篤となる.中枢神経系irAEはまれであり,髄膜炎・脳炎の発症頻度は0.1~0.2%とされる.我々は,再発子宮頸部神経内分泌癌に対してセミプリマブを導入した症例で,免疫関連髄膜炎を経験した.初回投与5日目より頭痛を認め,8日目に頭痛増悪,微熱,嘔気を主訴に受診した.意識清明でJolt accentuation of headacheが陽性,項部硬直やKernig徴候は陰性であった.頭部CT・MRIでは異常所見を認めず,髄液所見より無菌性髄膜炎と診断した.プレドニゾロン1 mg/kg/日の投与により速やかに症状は改善し,62日目にセミプリマブを再開した.以後,髄膜炎の再燃はなく,腫瘍は部分奏効を示した.ICI治療中は軽微な神経症状であってもirAEを念頭に置き,他科と連携した迅速な対応が重要である.