日本婦人科腫瘍学会雑誌
Online ISSN : 2436-8156
Print ISSN : 1347-8559
症例報告
12歳で発症し成人期にも発症した FOXL2陰性顆粒膜細胞腫の一例
大平原 麗華門脇 真理子佐藤 孝憲齋藤 庸太瀧口 義弘下向 麻由髙橋 寛人髙木 力坂本 能基木野 茂生大石 善丈
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2026 年 44 巻 2 号 p. 161-166

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抄録

概要:症例は40歳,G5P3.既往として,12歳時に卵巣腫瘍に対して開腹左卵巣摘出術を施行されていた.当院来院1年前に右卵巣奇形腫を指摘され,精査目的で当院へ紹介となった.経膣超音波検査にて45 mmの右卵巣腫大を認めた.奇形腫としてフォローしていたが,緩徐に増大傾向を認めた.骨盤MRI検査にて拡散障害を呈する55 mm大の右卵巣腫瘤と骨盤内左側に15 mm大の軟部像を認め,悪性が疑われたため手術の方針とした.右卵巣と考えていた腫瘤は小骨盤腔の右壁腹膜に認め,右卵巣や仙骨子宮靱帯と癒着していた.腫瘤を摘出し,迅速病理検査にて悪性と診断されたため,開腹単純子宮全摘術+右付属器摘出術+大網切除術を施行した.病理学的検査ではCall-Exner小体やコーヒー豆様核を認め,成人型顆粒膜細胞腫(adult-type granulosa cell tumor:AGCT)と考えられた.術後に再度前医に問い合わせたところ,12歳時の病理標本のみ残っており,これは若年型顆粒膜細胞腫(juvenile-type granulosa cell tumor:JGCT)の診断をされていたことが判明した.両標本にて遺伝子検査を行ったところ,ともにFOXL2遺伝子変異を認めなかったが,今回の病変は形態的にはAGCTであり,総合的に考えてAGCTと判断した.

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