日本婦人科腫瘍学会雑誌
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Print ISSN : 1347-8559
症例報告
外陰部アポクリン腺癌の一例
河合 清日関 典子楠元 理恵西條 昌之久保 光太郎中山 朋子小髙 晃嗣水谷 靖司堀田 真智子和仁 洋治
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2026 年 44 巻 2 号 p. 167-172

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抄録

概要:外陰部に発生するアポクリン腺癌は稀である.外陰部アポクリン腺癌の1例を経験したので報告する.症例は60歳代,0妊.20歳からのパーキンソン病による四肢拘縮が強かった.2年前より外陰部に腫瘤を自覚し,精査加療目的に紹介された.右大陰唇に5 cm大の腫瘤と,両側鼠径部にリンパ節腫大を認め,右大陰唇の腫瘍針生検を行い,外陰部アポクリン腺癌IIIB(i)期(cT1bN2bM0)と診断した.開脚困難で,手術適応なく,原発巣,両側鼠径・骨盤リンパ節領域に60 Gy/30 Frの放射線照射を行った.原発巣は5 mmに縮小,両側鼠径リンパ節も縮小した.治療終了後約1年縮小を維持するも,以降右大陰唇に腫瘤の増大傾向を認め,局所再発と考えた.免疫染色でエストロゲン受容体が陽性で,倫理委員会の承認を得て,アロマターゼ阻害薬を適応外使用したが,奏功せず,Best supportive careの方針とした.外陰部アポクリン腺癌の発生頻度は低く治療法が確立されていない.本症例では放射線療法,ホルモン療法を選択した.治療法の確立を目指し,さらなる症例の蓄積が必要である.

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