日本婦人科腫瘍学会雑誌
Online ISSN : 2436-8156
Print ISSN : 1347-8559
特別講演3
婦人科領域におけるがん骨転移の管理―充実した生活の質を目指して―
森井 健司
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 44 巻 2 号 p. 35-46

詳細
抄録

概要:がんの骨転移は荷重肢の骨折や脊椎骨転移による脊髄麻痺を介して移動能を喪失させ,生活の質を低下させるため,その管理は進行期がん患者の生活の質の維持にきわめて重要である.婦人科がんの骨転移は比較的稀であるが,発生時期や頻度にがん種ごとの特徴があることを念頭におき,高リスク症例群を中心に早期発見・早期介入に努める.骨転移の初発症状はがんの好発年齢で頻発する加齢性運動器疾患の症状と類似しているため,がんの既往を持つ患者が腰痛,四肢のしびれや関節痛などの加齢変化にみられる症状を訴えた場合,骨転移がまぎれていることに留意すべきである.骨転移の介入法は鎮痛剤の投与,外科的治療,放射線照射,骨修飾薬投与やリハビリテーションなど多岐にわたる.その適応選択は,患者の生命予後や予備能等の総合的評価に基づいて,多職種カンファレンスで決定することが推奨されている.骨転移をはじめとする種々の運動器障害ががん患者に生じる状態は「がんロコモ」と呼ばれ,患者の生活の質の維持に際して重要であることから,近年注目を集めている.婦人科がん患者において運動器障害を見た場合,整形外科医にコンサルトいただければ幸いである.

著者関連情報
© 2026 日本婦人科腫瘍学会
前の記事 次の記事
feedback
Top