日本婦人科腫瘍学会雑誌
Online ISSN : 2436-8156
Print ISSN : 1347-8559
日本腫瘍循環器学会合同企画
婦人科腫瘍患者診療における心血管毒性の管理―腫瘍循環器学Onco-Cardiologyとの連携―
向井 幹夫
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2026 年 44 巻 2 号 p. 47-57

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抄録

概要:腫瘍循環器外来において,腫瘍循環器医はがん患者が安全にかつ適正な治療を受けることができるようにがん治療開始前に合併する心血管リスク因子や循環器疾患をコントロールし出現する心血管毒性の早期診断ならびに適切な治療を行う.その中で女性がん患者は,初経,妊娠,更年期などのライフイベントの影響に加えがん治療によるホルモン異常や生殖機能に対する影響により女性特有の複雑な病態を呈する.また,小児・AYA世代がん患者では,発がんに遺伝的因子が関与することが多くがん治療の影響を受けやすいことから,がん治療急性期に出現する心血管毒性に加え潜在的に経過する晩期心血管毒性に対するマネジメントが必要である.一方,成人以降,更年期から高齢期にかけて,生活習慣病の影響をうけやすくがん治療に伴うホルモン異常やメタボリック症候群に関連した心血管毒性が特徴的である.腫瘍循環器医はがん治療による急性期のみならず晩期心血管毒性のフォローアップを担当することから,がん診療において産婦人科医そして腫瘍医と密接な連携を行いながら女性がん患者の年齢に合わせたライフコースアプローチによるフレキシブルな対応が必要である.

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