1997 年 31 巻 Supplement 号 p. 41-44
本論文では、アニメーションにおける動作強調手法を提案する。CG技術の向上により、コンピコータアニメーションは様々な分野で利用されるようになった。特に、実写映像ではできない様々な表現を可能にするという利点のため、娯楽作品として多く用いられている。アニメーション制作工程の中心である動きの作成については、物理法則を元にして動きを生成する方法や、Motion Captureなどの動作入力装置を用いて実際の動きを取り込む方法などがあげられる。しかしこれらの方法で生成された動きは現実的であり、アニメーション特有の強調された動きの表現に関しては取り扱われていない。本論文では、動きを表すの要素の一つである、キャラクタを構成するパーツ間の角度を制御することにより、自動的に動作強調することができるMotion Filterを提案した。分析により「予備動作」「リアクション」「折り返し」の3種類の動作について強調することにより、効果的に一連の動作を表現できることがわかった。これにより、アニメーション制作における強調された動作の作成を、自動化することが可能になった。