図学研究
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女子短期大学情報処理科におけるCAD教育 (その2)
―CAD教育の必要性と効果的な指導法に関する一考察―
荒木 勉掘越 眞理子山島 一浩
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2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 1-6

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抄録

東京家政学院筑波女子大学短期大学部情報処理科におけるCAD教育に関しての第2報。製図の基礎を知らない女子学生への教育実践を通し、学生自身が情報処理ツールとしてのCADに興味を持ち、積極的に学べる効果的な指導法について述べる。CAD操作の指導に入る前に、製図通則より入り図面についての基礎として文字や線、投影法を学び、興味が持てるよう立体や投影図などで作図のポイントをつかませてから、コンピュータによる作図へと進ませている。しかし情報処理科の女子学生への製図の指導は機械等の要素の入らない作図を通して学ばせている。これらの作図はハガキの大きさの枠の中に描く紙飛行機の図面であったり、斜にカットされた箱の展開図と製作、模型の機関車にあわせた建物の製作であったり、模型のモーターと単三電池でプーリーを介し、輪ゴムの動力伝達で走らせるケント紙のペーパーカーの製作、アクリル板で作るクリスマスツリーの飾りの作図など、作るための図面としてCADで描き、できあがったものの形状や機能を検討し、フィードバックをしてCADで描き直しながらより良いものになるよう改良を重ねる。最適化を踏まえた流れの中で自分の持つ企画時や作図時のイメージとの比較、また友達の作品との比較をしながら、学生自らの判断で改良のための思考活動へとスムースに導くことができるような教材として取り入れている。本情報処理科においてペーパーカーレースの背景にあるCAD教育のベースを、ここに報告する。

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