図学研究
Online ISSN : 1884-6106
Print ISSN : 0387-5512
ISSN-L : 0387-5512
図学問題の3次元仮想空間を活用した解法の特徴に関する考察
大月 彩香大月 美佳
著者情報
キーワード: 図学教育, 空間認識
ジャーナル フリー

2004 年 38 巻 Supplement1 号 p. 41-44

詳細
抄録
パーソナルコンピュータ (以下パソコンと略す) の普及と性能の向上そして安価になったことにより、社会におけるパソコンの重要性が高まり学校においても情報処理教育として小学校から大学にいたるまで授業に組み込まれるようになった。しかしながら、授業一般におけるパソコンの利用は普及せず停滞しており、授業における情報化は著しく遅れていると考えている。図学教育においても同様で三角定規とコンパスを使用しての紙の上での作図が主体の授業形態が続いている。3次元CGアプリケーションが十分な速度と精度で三角定規とコンパスを上回る機能を持って安価になってきていることから、従来の三角定規とコンパスに替えて使用することも容易になっている。図学の授業が空間や立体の認識能力を高めることがひとつの目標となっていることから、平面上での授業が好ましいとの意見もあるが、図学が現実的に設計製図の基礎として位置づけられつつあることから、近い将来と予想される3次元CADの普及を鑑みて3次元CGアプリケーションを使用したコンピュータによる仮想空間における図学教育の可能性を研究してきた。本研究では、3次元CGアプリケーションを使用した授業を行った結果、従来の図学の課題をコンピュータによる仮想空間で如何に学生が解いたかの例を示し、従来の図学と発想法が変わらない面と新たな発想が生まれることがわかった。その結果、図学の授業の一目的である空間認識能力の向上に十分なる役目を果たせると考えられる。
著者関連情報
© 日本図学会
前の記事 次の記事
feedback
Top