抄録
図 (形科) 学は, しばしば“ものづくりの幾何学”と呼ばれているように, もともとは, “ものづくり”に密接に関連した実用の学として発展し, 現在に至っている.個々の“もの”に密着しすぎると一般性・汎用性が失われるため, “もの”から幾何学的立体へと抽象化が行われ, 現在の幾何学的立体の取り扱いを中心とした教科内容となっている.しかし, 抽象化された幾何学的立体の取り扱いのみを学習させて, そこから“ものづくり”との関連を実感させることは難しい.図 (形科) 学を, ものづくりと密接に関連した実用の学として学ばせるには, 学習内容が実際にどのようにものづくりに応用されているかを示すことが必要である.そのためには, 実物を提示することが有効と考えられる.本報では, このような観点から, 実物模型を実際の授業での使用した例について報告する.