図学研究
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3Dアニメーションのためのカトゥーンブラー
大林 正一近藤 邦雄今間 俊博
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2005 年 39 巻 Supplement1 号 p. 63-68

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抄録

本論文では、非写実的な3Dアニメーションのための動きの効果生成手法を提案する。従来の3Dアニメーションのためのモーションブラー等の動きの効果は、非写実的なアニメーションに適用すると違和感が生じる。そこで、本論文では、非写実的な3Dアニメーションのために、非写実的な動きの効果を提案する。生成される効果を「カトウーンブラー」と定義し、その生成のアルゴリズムについて述べる。提案手法では、入力された3Dアニメーションの各フレームから、2Dアニメーションで比較的多く使用されている「線」「残像」「ゆがみ」の三つの効果の「カトウーンブラー」を生成する。「線」はキャラクタの移動の後方に線を生成する効果で、「残像」はキャラクタの移動の後方の稜線を移動の途中に複製する効果、「ゆがみ」は移動の後方をぎざぎざにのばす効果である。生成される効果の量について動的な変化を加えられるように, 入力データからキャラクタの移動方向を計算し、その移動の後方に当たる部分に対して面の分割、統合を行うことで効果の量を調節出来るようにした。これら三つのカトゥーンブラーを組み合わせ、非写実的な3Dアニメーションのための動きの効果を実現する。

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