抄録
高齢者の生理的、体力的変化をカバーし、体への拘束を排除した衣服を設計する基礎データを得るため、3次元計測データから衣服設計上重要な断面の幾何学的特徴量を算出して分析を行った。その結果、高齢者の体形差は、主として側面図にみられる前後方向への骨格や脂肪量などの変異として解釈することが妥当であると判断され、高齢者の生理的、解剖学的変化に呼応した、“肥痩度”、“丸胴//扁平胴”、“年齢的変化”、“前傾//後傾”に関する人体3次元形状の特徴を抽出した。これにより、各特徴を表現する類型ごとの単純な模式図及び人台作成用3次元データを得ることができた。