日本医療・病院管理学会誌
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研究論文
外来患者の逆紹介がその後の入院率に与える効果
小原 仁福田 治久
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2015 年 52 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

医療連携を主体とした機能分化の推進が期待されている。しかしながら,機能分化を可能とする病院の外来縮小は進んでいない。本研究は,機能分化に向けた逆紹介の課題要因を明らかにするとともに,外来縮小の方針決定に影響を与えると考えられた逆紹介とその後の入院率との関連を明らかにすることを目的とした。南風病院呼吸器内科に外来受診をした慢性閉塞性肺疾患(COPD)と喘息疾患の再診患者を対象にロジスティック回帰分析を行った。入院率の比較については傾向スコアマッチングを用いた生存時間分析を実施した。解析の結果,長期処方実績や複数科外来受診などの要因が逆紹介と関連していた。また生存時間分析による入院率の比較では,外来患者の逆紹介とその後の入院率の減少に関連は認められなかった。一般外来の縮小に向けた外来患者の逆紹介が推進されることで,外来診療における地域医療の機能分化が期待された。

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© 2015 一般社団法人 日本医療・病院管理学会
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