抄録
自らが取り組む,事前指示による筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の生命維持治療中止に関する研究,および,生命維持治療中止法制化に関する研究成果を,生命倫理・医療倫理教育に応用した。
① ALS等重度障害者のコミュニケーション支援にあたる可能性のある情報系学生,看護学生,医学部学生,歯学部学生に講義等を行い,調査を実施した。歯学部生については先行研究と結果を比較した。また,看護管理者にも講義と調査を実施し,学生の結果と比較した。② 少人数ゼミにより,生命維持治療中止法制化を行った場合の社会的影響について質的な検討を行い,ディベートを重ね,報告書を作成した。以上から,講義する者が自ら携わった研究成果を活かすことで,学生の認識に違いがみられるかを検証した。
講義を担当する研究者が携わった研究成果の提供することで,学生の意識が,臨床経験のある医療者により近い認識に変化する可能性が示唆された。