日本医療・病院管理学会誌
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53 巻 , 1 号
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巻頭言
研究論文
  • 石橋 賢治
    原稿種別: 研究論文
    2016 年 53 巻 1 号 p. 7-18
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/06
    ジャーナル フリー
    公立病院改革プランの前年度(平成20年度)と最終年度(平成25年度)に着目し,経常損益の増減に影響を与えた要因を検証することを目的とし,地方公営企業年鑑のデータを活用して自治体直営の726病院を対象に重回帰分析を実施した。その結果,他会計繰入金(0.3462),入院診療単価(0.3246),1日平均入院患者数[一般病床](0.2530),外来診療単価(0.1352),看護師数[正規職員](0.1338),研究研修費(0.1277),医師数[正規職員] (0.1265)などの10の変数に正,企業債利息(−0.3358),退職給与金(−0.2648),減価償却費(−0.2616),資産減耗費(−0.2562),委託費(−0.2127),平成20年度経常損益(−0.2113)などの15の変数に負の有意が認められた。1日平均外来患者数,外来入院患者比率,平均在院日数[一般]などの変数,及び新公立病院改革ガイドラインの取組例と対応する正規職員の平均給与月額,経営形態変更の変数には有意が認められなかった。
研究資料
  • 香西 瑞穂, 佐野 雅隆, 金子 雅明, 田中 宏明, 棟近 雅彦
    原稿種別: 研究資料
    2016 年 53 巻 1 号 p. 19-29
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/06
    ジャーナル フリー
    医療の質保証が社会的課題として認識され,組織的に質を改善していくための質マネジメントシステムを導入する医療機関が増えている。質の高い医療サービスの提供には,よい診療業務プロセスを構築する必要があり,診療業務の可視化が重要である。
    診療業務の一部である看護業務は,業務の突発性や患者の多様性により複雑である。
    本研究では,看護ケアプロセスの可視化にProcess Flow Chart(PFC)を用い,PFCを作成する単位を示した看護ケア要素一覧表と,看護の特徴を考慮した記述方法を提案する。さらに,PFCに記載すべき項目を規定する。
    結果,看護ケア要素一覧表の網羅性と,看護師が提案手法を用いて現状の看護ケア業務と相違なく書き表せることを確認できた。本研究により,看護業務の可視化が可能になると同時に,共通認識と各プロセスの詳細情報を持ってQMS構築に向けた改善活動が可能になる。
  • 檜山 明子, 中村 惠子
    原稿種別: 研究資料
    2016 年 53 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/06
    ジャーナル フリー
    国内で公表された入院患者の転倒リスクアセスメントツールの予測精度及び評価項目の特徴を分析し,臨床での活用の可能性と課題を検討した。基準を満たした論文に対して,質評価及び,感度,特異度,陽性尤度比,陰性尤度比の算出と評価項目の分類を行った。8論文を分析した結果,感度は0.6-0.76,特異度は0.6-0.91,陽性尤度比は1.89-8.21,陰性尤度比は0.29-0.99の範囲にあり,良好な予測精度であった。入院患者全般に使用する転倒リスクアセスメントツールとしては,2つのツールが病棟で活用できる可能性が示された。転倒リスクアセスメントツールの項目は入院患者の転倒要因を多面的に捉えていたことが明らかになったが,項目表現の明確化による信頼性・妥当性の確保が課題である。
  • 倉岡 有美子
    原稿種別: 研究資料
    2016 年 53 巻 1 号 p. 41-49
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/06
    ジャーナル フリー
    本研究では,成長を「看護管理者として必要なスキルを獲得すること」と定義したうえで,目的を,看護師長が,自己を成長させた,つまり看護管理者として必要なスキルを獲得したと認識する仕事経験を抽出することと,その経験によって獲得したスキルを明らかにすることとした。優れた看護管理実践をしている看護師長として推薦された10名に,約1時間の半構成的面接を実施した。質的帰納的に分析したところ,看護師長を成長させた経験と経験から獲得したスキルの対応を以下のように見出した。看護師長は,【変革を成し遂げた経験】から【人を巻き込む】スキル,【部下を育成した経験】から【部下の自律を導く】スキル,【管理部署の変化の経験】から【信頼を構築する】スキル,【窮地に立った経験】から【問題の本質をつかむ】スキルを獲得していた。
報告
  • 伊藤 道哉
    原稿種別: 報告
    2016 年 53 巻 1 号 p. 51-59
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/06
    ジャーナル フリー
    自らが取り組む,事前指示による筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の生命維持治療中止に関する研究,および,生命維持治療中止法制化に関する研究成果を,生命倫理・医療倫理教育に応用した。
    ① ALS等重度障害者のコミュニケーション支援にあたる可能性のある情報系学生,看護学生,医学部学生,歯学部学生に講義等を行い,調査を実施した。歯学部生については先行研究と結果を比較した。また,看護管理者にも講義と調査を実施し,学生の結果と比較した。② 少人数ゼミにより,生命維持治療中止法制化を行った場合の社会的影響について質的な検討を行い,ディベートを重ね,報告書を作成した。以上から,講義する者が自ら携わった研究成果を活かすことで,学生の認識に違いがみられるかを検証した。
    講義を担当する研究者が携わった研究成果の提供することで,学生の意識が,臨床経験のある医療者により近い認識に変化する可能性が示唆された。
特別シンポジウム
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