日本医療・病院管理学会誌
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研究資料
病院に勤務する看護師の残業時間及びメンタルヘルスに影響する要因
渡辺 真弓山内 慶太
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2019 年 56 巻 2 号 p. 61-69

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抄録

本研究は残業時間に関連する残業理由を明らかにした上でメンタルヘルスに影響する要因を把握する目的で,病院に勤務する看護職1,075人を対象に質問紙調査を行った。病棟を単位としたマルチレベル共分散構造分析,及び病院間の相違を検証するために多母集団同時分析を行った。その結果,残業時間の増加に影響を及ぼしているのは病棟・個人レベルの双方で仕事量の多さであった。メンタルヘルスを有意に悪化させているのは,病棟レベルでは仕事量の多さであり,残業時間はメンタルヘルスへの有意な影響は見られなかった。個人レベルでは,残業時間の長さ,及び同調圧力・仕事量の多さ・評価・残業代・仕事の楽しみによる長時間労働がメンタルヘルスに影響していた。また,病院間でこの影響度合いには相違がみられた。残業時間の短縮のみがメンタルヘルスを改善させる訳ではないことを認識し,仕事量を減らすような長時間労働対策を進めることが重要である。また,病院ごとに残業理由がメンタルヘルスに及ぼす影響をしっかりと把握した上で対策を行う必要があることが示唆された。

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© 2019 一般社団法人 日本医療・病院管理学会
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