2022 年 59 巻 4 号 p. 168-176
スタッフ看護師が“いきいきと働く”経験に影響した要因(個人の要因と仕事の要因)を明らかにすることを目的とした。
関東圏の看護師10名を対象とした半構造的インタビューにより看護師として“いきいきと働く”経験にどのようなことが影響していたのかを尋ねBerelson. Bの内容分析の手法により分析した。
分析の結果,【努力が良い結果につながる】,【安心して働ける環境】,【先の見通し】,【仕事に対して当事者意識を持って取り組む】の4つのコアカテゴリーと12のカテゴリーが抽出された。スタッフ看護師が“いきいきと働く”経験には多彩な要因が影響しており,自身の看護実践が良い結果を生む経験から自己効力感が高められる個人の観点や,安心して働ける職場環境があることで自身の看護ケアを遠慮せず安心して行えると感じる仕事の観点があった。特に【先の見通し】は仕事の意味や仕事に対する準備状況を表す内容を含む要因が重要であると考えられた。